M&A業界は激務？ホワイト？その理由や実態、転職先の見極め方を紹介

M&A業界の働き方は本当に激務？その理由と実態を整理しよう

長時間労働やプレッシャーが強いと言われる理由とは

たとえば小売店や飲食店のような店舗営業・店舗運営を担う仕事であれば「営業時間」の概念があり、その営業時間内にどう売上を上げるか？を考えることになります。そのほかにも経理や総務などといった事務仕事も基本的に「定時」といった概念があり、その時間内に仕事をしながら人手が足りなければ増員するというのが通常の流れでしょう。しかし M&A業界は「M&Aを成功させる」という結果にコミットする仕事をしなければいけません。取り扱う金額が大きいからこそ、 クライアントから希望される締め切りや期待・プレッシャーに応える仕事をしなければならないことに加え、緻密な資料作成や予期せぬトラブル対応など膨大な仕事量を高い品質でこなすことが求められるため、激務というイメージが伴うのです。

なぜM&A業界では働き方の負荷が高くなりやすいのか

M&A業界では 「着手金無料」や「完全成功報酬」などといった料金形態が横行しており、徹底的な成果主義を謳う会社が多くなっています。これは顧客視点として「M&Aが成立していないのに報酬を支払うことの不毛さ」を感じてしまうためであり、 「結果を出すから高額な報酬をもらえる」という業界構造になっています。そのためM&A業界では働くスタッフに対しても成果主義の報酬体系を取り入れていることが一般的であり、より高い報酬を得るためには激務をこなさざるを得ない、という状況になってしまっているのが実情です。こうした流れから個人の能力に依存するビジネスモデルになってしまっているため、 休日返上や残業、プライベートな時間を活用した継続的な専門知識習得など働き方に対する負荷が高まりやすくなります。

同じ業界でも会社によって“働きやすさ”は異なる

一方でM&A業界におけるすべての企業が激務なのか？というと必ずしもそうではありません。「M&A業界＝激務」というわけではなく、同じ業界内であっても 企業文化や組織風土、軽々方針・組織体制、マネジメント体制によって働きやすさ（＝ホワイト度）が変わってくるのです。特に最近では働き方改革などの影響により残業時間の制限やテレワークの推進など、働きやすい環境の構築に力を入れている企業も多くあります。もちろん高い報酬を得るためには相当な努力や時間が必要になりますが、「M&A業界だから必ず激務」というわけではなく、 それぞれに合った働き方も選択できる時代になりつつあります。どんな会社を選ぶかによってホワイト度は変わりますので、じっくり検討してみましょう。

激務になりやすい会社の特徴と、その背景にある業界構造

組織体制の未整備や教育不足が個人の負荷を高める

M&A業界においては新規参入も多く、 まだノウハウは教育システムなどが確立されていないようなケースも多くあります。さらにM&Aの世界においては同じ案件が出てくることはなく、教科書的な知識を学べば誰でもこなせるような仕事内容ではありません。そのため基本的に教育はOJTで行われることが多く、数多くの案件対応経験を積むことにより対応できる幅を広げていくことになります。体系的な教育制度はなくノウハウも個人に依存することから共有ができず、 個々のスタッフが孤軍奮闘しているというのが実情ではないでしょうか。さらにマネジメント層は自身もプレイングマネージャーとして案件を抱えていることがあり、 育成に手が回らないなどといった組織・教育体制の不備が他のメンバーにおける負担や過重労働に繋がってしまうことも少なくありません。

属人的な営業や短期成果主義が引き起こす過重労働

高校野球において「エースで4番」の選手に負担が集中するように、 M&A業界においてもエース頼みの営業体制になっていることが少なくありません。他の業界よりも個人の能力に対する依存度が高い業界であることに加え、プロセスよりも結果を重視する評価体制・報酬形態であることから、「 能力が高く頑張れるスタッフがとにかく頑張って結果を出す」という状況になってしまっています。それらの環境が長時間労働や休日出勤、強引な営業などといった無理な働き方に繋がってしまいますが、その結果高額な報酬を得られるというインセンティブ制度にも負の側面があるといえるでしょう。

報酬制度・案件数・スピード重視が負荷の元になる

「働きやすさ」や「幸せ」の感じ方は人によって違いますが、高額な報酬を得られることが必ずしも正義かというとそうではないでしょう。M&A業界においては高額な報酬を得られるからこそ感じる大きなプレッシャーやノルマを達成するために 案件を抱えすぎるストレス、質よりも量を優先する営業や案件のこなし方など、働くスタッフの負荷になってしまう要因が多くあります。その背景には心や身体に異常をきたしてしまうような状態やプライベートな時間の返上など多くの犠牲を伴う状況がありますので、ワークライフバランスをどう取るか、得られる収入とのバランスを考えた時にどちらを優先するかをしっかりと考える必要があります。

M&A業界は「難易度が高い」だけではない、成長環境としての魅力もある

厳しい環境だからこそ得られる成長機会と高収入

M&A業界の仕事は激務と言われる状況について解説していますが、「激務が必ずしも悪か」といわれるとそうではありません。より高い報酬や成長を望まない方にとっては不可の方が大きくなってしまう可能性が高いですが、 ビジネスマンとして能力を上げたいと考える方には適しているかもしれません。プレッシャーや負荷が大きい仕事だからこそ、短期件で交渉力や分析力、経営的な視点などといった圧倒的なビジネススキルを身に着けることができる仕事です。もちろんプライベートを優先するとそういった成長の機会が少なくなるわけですので、どちらをとるかで判断することがよいでしょう。 若いうちから経営的な業務に現場で触れられるという点も貴重な成長機会であるといえます。

負荷を受け入れられるかは自分の価値観と目指すキャリア次第

仕事をする意味は人それぞれです。今日明日生活するためのお金を稼ぐのも一つですし、 将来的にやりたいこと・目標があるためそれに向けて経験を積むというのも一つでしょう。今後年齢を重ねていく中でより大きなビジネスを取り扱えるような能力を付けたいような方の場合、M&A業界で働く経験は貴重かつ重要なものとなるでしょう。成長や高収入を得るためであれば厳しい環境も乗り越える覚悟があるかどうか、ワークライフバランスや精神的な安定を重視するのかによって M&A業界の激務を「やりがい」と感じるか「負荷」と感じるかが変わってきます。自分は何のために働くのか？に改めて立ち返ったうえで、今後のキャリアゴールも意識しながら検討してみてはいかがでしょうか。

「やりがい」と「持続可能性」のバランスを考えよう

「ブラック企業」「ホワイト企業」という言葉が横行する世の中ではありますが、それぞれは働き手の感じ方によって定義が変わってしまうような言葉です。一般的にホワイト企業と呼ばれる会社に就職した方であっても 「やりがいがない」と感じて辞めてしまうケースも決して少なくなく、必ずしも「楽＝正義、激務＝悪」ではないことがうかがえます。転職をする際には「やりがい」と「持続・継続可能性」という２軸から検討を行い、自分にとってのホワイト企業とは何か？を考えてみましょう。やりがいや収入、心身の健康を両立できる点を探ることが非常に重要です。

転職先の見極め方｜良い企業の判断基準を知っておこう

労働時間よりも「働き方の質」を重視して見るべき理由

実際に働いてみるまでは職場の雰囲気や仕事のこなし方が分からないため、単純に 「残業が少ない」「長時間労働はない」などといった言葉だけで働きやすい職場かを判断することはできません。大切なポイントは どのような時間の使い方をしているか、またそのフォロー体制がどのようになっているかです。仕事が終わっているかどうかに関わらず残業してはいけないような企業風土であれば顧客に迷惑がかかりますし、他のスタッフに負担のしわ寄せがいくかもしれません。そういった状況に陥ってしまわないようにチームとして協力しながら案件をこなしていく文化があるかどうか・効率的に業務をこなせる環境にあるかどうかも、その会社がホワイトか否かを判断する一つの基準になるでしょう。

教育制度・支援体制・マネジメント力のある会社を選ぼう

M&A業界では個人の能力に依存することが多いと紹介しましたが、 企業によっては教育制度や研修制度などを充実させ、可能な限り組織的に業務を遂行できる環境を構築していることもあります。個人に負荷を集中させず持続的に成長・活躍できる環境を実現するため、きちんとした教育・研修制度を設けているほか、チームでのサポート体制整備・メンバーの育成やケアに目を配れるマネジメント層の配置など、可能な限り属人性を下げるための取り組みをしている企業であれば、持続的に働きやすい環境といえるのではないでしょうか。

面接で聞くべき3つの質問で、働き方の実態を見抜く

定型的な求人票や一方的に話を聞くだけの会社説明会だけでは、その企業の実態や実際に働いた時のイメージなどを掴むことは難しいでしょう。そういった場合、面接などのような企業側とコミュニケーションを取ることができる機会において質問をし、その回答で判断することをおすすめします。「 若手への教育・サポート体制について」という質問ではスタッフの主体性に任せるような体制か教育制度が整備されているかを確認することができ、「 繁忙期のチームの働き方」という質問では業務過多に陥った時に協力できるチーム体制が構築されているかを確認することができます。そして「 評価制度でプロセスはどのように考慮されるか」は結果とプロセスの評価に対するバランスを確認することができるでしょう。

自分に合うM&A企業を見つけるには、業界に詳しいプロの力を借りるべき

口コミや求人情報では限界がある。だからこそ第三者視点が必要

インターネット上には会社そのものの口コミ・評判をはじめ、実際に転職した方の声などが公開されていることがあります。こうした情報を見ることにより、実際にその企業で働くことになった方の生々しい意見を知ることができますが、労働者側に寄った意見になってしまう点に注意が必要です。企業の実態としてのリアルな内情、特に働き方や人間関係・文化などといった「ホワイト度」に関わる情報を知ることには限界がありますので、 他企業との比較も含めて客観的・多角的な視点から評価することができるプロの第三者的視点を参考にすることも非常に重要です。

業界に特化した転職エージェントなら企業内部の事情までわかる

「プロとしての第三者的視点」として参考にする際、業界特化型エージェントを参考にすることがおすすめです。業界特化型エージェントは特定の業界に対する知見や対象となる業界・企業との深い繋がりを持っており、多くの転職者を斡旋してきた実績などを持っています。そのため 各企業におけるリクルートの課題や問題・転職後の勤務状況などといった実情を把握している可能性が高いため、実際に転職をした個人の一意見よりも多角的・多面的な意見を聞くことができるでしょう。「この企業がいい」や「この企業が悪い」というような絶対的な評価というよりも、「こういった希望を持っている方にはこの企業が合うのでは」というようなマッチングを期待することもできるでしょう。

キャリアラダーとは？M&A業界に特化した転職支援サービスを紹介

未経験でも挑戦できる道を示してくれるプロフェッショナル

業界特化型転職エージェントにはさまざまなサービスやプラットフォームがありますが、一例として「キャリアラダー」があります。特徴はそのエージェントごとに異なりますが、キャリアラダーの場合には 「M&A仲介業界30社以上とのコネクション」「内定実績多数の転職ノウハウ」「平均30回以上の面談で徹底的な選考対策」「未経験・新卒の内定支援多数」といった強み・特徴が公開されています。転職エージェントは「ヒト」を見る仕事ですので、その求職者の強みや弱みを見抜いたうえでどういったサポートを提供してくれるかが重要です。また、より多くの求職者を斡旋してきた経験を持っているかどうかや面接や選考への対策をどこまでサポートしてくれるかなどもエージェント選びの際の重要なポイントになるでしょう。

まずは相談だけでもOK。リアルな情報を得て、納得のいく判断をしよう

転職を成功させるためには 「どういった転職候補企業があるのか」「受かるためにどういった要素が必要なのか」などの情報が必要であり、いわば情報戦です。特にM&A業界のように専門性の高い分野においては質の高い情報が欠かせません。まずは話を聞いてみるというだけでも価値がありますので、M&A業界への転職を検討している方はM&A業界に特化したエージェントに相談をしてみてはいかがでしょうか。転職エージェントへの相談は転職意向が固まっていない場合に行う方も多く、 相談したからといって必ずエントリーしなければいけないわけではありません。「興味がある」くらいの温度感からでも話を聞いてみることはできますので、ぜひ一度アクションしてみてはいかがでしょうか。

「できることは全部やりたい」
キャリアラダー代表インタビュー
M&A仲介転職支援の想いとは？