20代で目指す「M&A業界」への転職！仕事内容や求められるスキルなどを解説

M&A業界とは？知っておきたい基礎知識

M&A業界の役割と仕事の内容

「M&A業界」における具体的な業務としては、M&Aのニーズがある企業に対して仲介業務やアドバイザリー業務を提供し、その企業の合併・買収を通じて企業価値を向上させることを目的とするものです。主な業務内容としては、企業の成長戦略に合ったM&Aプランを立案・提案するほか具体的なターゲット企業の選定・紹介、交渉を進める場面における折衝サポートや契約書などの書面作成支援、事業面・財務面・法務面などさまざまな観点からリスクなどの調査を行うデューデリジェンス（DD）の実施などがあります。M&Aはただの売り買いではなく、企業の成長戦略の一環として行われる重要なプロセスであることから、高い専門性を持つプロフェッショナルなサポート業務が求められます。

なぜ今、M&A業界が成長しているのか？

M&A業界は年々急成長していると言われていますが、その背景にはさまざまな要因があります。まず大きな問題として、後継者不足に悩む中小企業が多くあることが挙げられ、事業承継問題を抱える中小企業の課題を解決する手段として多く選ばれています。さらに海外市場の開拓を狙う企業がグローバルな展開を狙うクロスボーダーM&Aも増加しているほか、既存のビジネスを強化・拡張することを目的とし新規事業を展開するための手段としてもM&Aが活用されています。こういった背景から、M&Aの需要は増加傾向にあり、業界全体として成長を続けています。

M&A業界で求められるスキルと適性

財務・会計に関する知識

M&Aを進めるにあたっては、企業の決算書や事業の損益情報など財務・会計に関する分析も行う必要があります。そのため決算書や試算表などの会計情報をきちんと読み取る能力は必ず必要になります。企業の収益力や資産・負債の状況などは決算書にまとめられることになりますので、その中身をしっかりと読み解き、実態を分析できるスキルが求められるのです。さらに、それらの情報・数字を踏まえた企業価値の算定なども行わなければならず、「いくらで譲渡をするのか」という重要部分の検討・意思決定に繋がります。そのため税理士や公認会計士といった資格があると重宝されます。

法務に関する知識

M&Aは企業や事業の売買、資本提携も含めた企業連携など幅広い進め方があります。異なる法人が一定の条件のもと取引を行うことになるため、契約書を締結して実行することになります。その前後の交渉・統合プロセスなども含め、訴訟リスクも伴うことになるため、どういった形で進めるのか・契約書の内容は十分かなど、法務的な観点も求められることになります。最悪の場合には契約が無かったことになったり、多額の損害賠償請求を受けるなどといったリスクも起こり得ますので、法律・法務面に関する知識やノウハウも求められるのです。

交渉・営業スキル

M&Aを進めるにあたっては相手の株主や代表者などと交渉を行うことになります。もちろん儲かるかどうかやM&Aすることで得られるメリットが大きいかどうかも重要な要素にはなりますが、企業や事業に対する「想い」など、数値化できないような条件・要素も絡んでくることになります。従っていかに交渉相手の気持ちを理解し、どのように進めればよい方向に物事が進むのかをしっかりと考える必要があります。BtoBビジネスにおけるコミュニケーションや営業などの経験を持っており、交渉ごとを得意とするようなビジネスマンが求められます。

プロジェクトマネジメント能力

M&Aは前述の通り「想い」や気持ちなどといった要素も大きな影響を与えることがあります。「鉄は熱いうちに打て」という言葉もあるように、買い手・売り手の双方の気持ちが高まっているうちに物事を進める方が、成功確率も上がりますしよりよいM&Aになるでしょう。そのためM&Aをひとつのプロジェクトとして進められるマネジメント能力を持っており、スケジュールを含めた関係者間の調整などをスムーズに行えるスキルや能力が求められることになります。

ほかにも論理的思考力やタフなメンタルなどもM&A業界において求められる能力・スキルとなりますので、これまで積み上げてきたビジネスマンとしての総合力を活かして仕事を進めていく事になるでしょう。

20代でM&A業界に転職し、高収入を実現する方法

M&A業界の報酬体系と年収アップの仕組み

M&A業界はいわゆる「ストック型」のビジネスではなく、案件ごとに報酬が発生するビジネスモデルであることから、一般的に成果報酬型の給与体系が採用されています。会社に雇用される労働者である以上一定保証される「基本給」はもちろんありますが、インセンティブによって得られる報酬額が多いという点が魅力の一つです。M&Aの案件ごとに成約時に受領できる報酬が決まることから、そのうちの●%のような形で取り決められたインセンティブ報酬を受け取ることができるようになります。つまり案件規模が大きければ大きいほど報酬も高額になり、20代であっても実績をきちんと積み重ねることにより、年収1,000万円の大台を達成することも期待できます。

M&A業界のキャリアパスと成長スピード

M&A業界では、一般的に1年目から2年目までは「アナリスト」として、M&A業界に関する基礎などを学ぶことになります。その後3年目～5年目ごろになると「アソシエイト」として案件を実際に担当することとなり、5年目以降には「マネージャー」や「ディレクター」へと昇進し、他のスタッフを使いながら複数案件をコントロールすることになります。10年ほどの経験を積んだあとは、独立やM&Aアドバイザリーとして活躍することが多くなっており、特に外資系コンサル会社やM＆A専門企業においては昇進スピードが早い傾向にあります。

M&A業界で成功する人の特徴

M&A業界におけるもっとも分かりやすい「成功」は「高収入を得ること」になりますが、複雑かつ専門性の高い情報などをきちんと整理し、冷静かつ戦略的に判断を下せる論理的思考能力を持つ人が成功しやすいといわれます。さらに交渉相手を説得しクライアントにとって最適な条件を引き出せるような交渉力を持っている方、さまざまなプレッシャーがかかる環境でも本来の実力を発揮できるようなストレス耐性を持っている方も成功確率が高くなるでしょう。また、基本的に全く同じ案件が発生することは無い業界であることから、常に新しい知識を吸収しスキルアップを図るような学習意欲が高い人ほど成功しやすいともいえるでしょう。

必要な学歴や資格

国家資格などを持っていなければ行えない業務を「独占業務」といいますが、M&Aに関する業務はその多くが独占業務ではありません。従って特に資格を持っていない方であっても業務に従事することが可能です。しかしながら経済学・金融学・法学系の学位を持っていれば一定の知識を有していることが客観的に分かりますし、MBAや中小企業診断士などの資格を持っているとビジネススキルが高いことが認められます。他にも公認会計士（CPA）や証券アナリスト（CMA）の資格を持っていると「即戦力」みなされて採用されやすくなることがありますので、資格は持っているに越したことはありません。ただし、未経験からでも実務経験やスキル次第で転職のチャンスがある業界ですので、諦めずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

M&A業界は、若いうちから高収入を目指せる魅力的な業界である反面、求められるスキルも高くプレッシャーも大きな仕事です。成果報酬型の給与体系であれば、実績・経験を積むことで20代でも年収1,000万円以上が狙えますので、しっかりとリスクを取りながらリターンを狙いたい方はチャレンジするとよいでしょう。必要なスキルを磨きながら、実績・経験を積み重ね、適切なキャリアパスを選択することで、成功を目指しましょう。

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