このサイトは株式会社キャリアラダーをスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
近年増え続けているM&Aにおいて、重要な役割を果たすM&Aアドバイザー。M&Aアドバイザーを目指すうえでは、財務や税務の理解だけでなく、M&Aに適用される主要な法律の基本を把握しておくことが円滑なサポートにつながります。そこで本記事では、主要な関連法令を分かりやすく解説していきます。
目次
企業を「合併(Merger)」または「買収(Acquisition)」するM&Aは、単に会社が売買されるだけの取引ではありません。実際には、会社の組織を再編したり、株主を変更したり、場合によっては労働契約や各種許認可を引き継いだりするため、多種多様な法規制をクリアしなければならない場面が出てきます。
もし法務の視点をおろそかにすると、取引が無効になってしまったり、後から行政処分や訴訟などのリスクに直面したりする可能性があるため注意が必要です。
特に、以下の点に注目する必要があるでしょう。
M&Aに関する法務業務では、さまざまな法律が適用されます。その中でも特に重要な法令を紹介します。
M&Aにおいて、まず押さえたいのが会社法です。合併・会社分割・株式交換・株式移転などの手続きがどのように行われるのかを規定しているのが、この会社法になります。
株主総会の特別決議や、公告・債権者保護手続の要否など、M&Aの実行スケジュールを左右する大切な要素が盛り込まれているのが会社法の特徴です。
合併や会社分割では、労働契約をどのように引き継ぐのかという問題が生じます。そこで登場するのが労働契約承継法です。
例えば、吸収分割のケースでは、「事業とともに従業員は自動的に承継されるのか」「本人の同意が必要なのか」といった点を整理しなければなりません。事業譲渡の場合は、個別に合意を取り付ける必要が出てくるなど、M&Aスキームごとに従業員保護の手続が変わるのが注意点です。
ある会社を買収した結果、一つの市場で過度に大きなシェアを握ると競争が制限されてしまう可能性があります。こうした事態を防ぐため、独占禁止法(公正取引委員会が所管)が企業結合を規制しているのです。
売上高などが一定の基準を超えるM&A取引では、公正取引委員会への事前届出を行い、競争を著しく制限しないか審査を受けることが求められます。
アドバイザーとしては、クライアントが独禁法の審査対象となるかを見極め、必要ならば審査にどのくらい時間がかかるのかも考慮した上でスケジュールを組むことが大切です。
上場企業や有価証券報告書の提出義務がある会社の株式を買収する場合は、金融商品取引法の適用を受けます。
防衛関連やハイテク分野など重要産業に対する海外企業の投資については、外為法の事前届出や審査が必要になる場合があります。
国民の安全保障に関連する業種では、外国企業による買収が認められない、あるいは制限されることも。クロスボーダーM&Aに関与する可能性があるなら、外為法の届出スキームや審査の期間を押さえておきましょう。
建設業、介護・医療、金融などは、事業の継続に許認可が不可欠です。M&Aによって株主が変わったり、別法人に事業を移転したりする際に、許認可が失効してしまうリスクがあります。
新たに許認可を取り直すのか、承継が認められるのか、ケースバイケースで確認が必要です。例えば、建設業法の場合、事業譲渡をすると許可が引き継げず、新たに取得する手間が発生するなど、細かい規定が存在します。
株式譲渡、合併、会社分割、事業譲渡など、どのスキームを採用するかで必要な法律や手続きが変わります。アドバイザーは、クライアントの目的や事業の特徴に合ったベストな手法を示すために、各スキームに関わる法律要件をしっかり把握しておく必要があります。
M&A取引では、「秘密保持契約(NDA)」、「基本合意書(LOI/MOU)」、「最終契約(株式譲渡契約・合併契約など)」といった契約書が作成されます。
特に最終契約には「表明保証」「補償」「競業避止」などの条項が盛り込まれ、後日のトラブルを防ぐうえで非常に重要です。法務知識があると、こうした契約書をレビューする際にリスクを早期に発見し、クライアントに的確に説明できます。
独禁法や外為法による届出・審査には一定の期間がかかります。大規模なM&Aの場合、これらの審査結果次第で取引条件が変わったり、成約自体が困難になるケースも考えられます。アドバイザーは、クロージングまでの時間を逆算して、手続きに必要な書類や期限を整理することが求められます。
M&Aの法務手続きは、一般的に以下の流れで進められます。
交渉の初期段階で、候補企業に対して情報を提供する際に秘密情報が含まれるため、秘密保持契約書(NDA)を締結します。この契約書には、秘密情報の定義や内容、開示範囲、有効期限などが詳細に記載されます。情報の対象が適切に担保されているか、開示権者が開示できない情報を誤って開示していないか、、契約満了後の秘密保持期間は妥当か、といった点に注意が必要です。
秘密保持契約締結後、M&Aの基本的な条件や了解事項を明確にするために基本合意書が作成・締結されます。これはM&Aを実施する「確固たる意思の表明」を意味します。
一般的に基本合意書自体にM&Aを実行する法的拘束力はありませんが、秘密保持義務や独占交渉権などの一部条項には法的拘束力を持たせることがあります。譲受企業からこれに代えて意向表明書が提出されることもあります。
M&Aの対象となる会社や事業の法的リスクを洗い出すための詳細な調査です。買い手は、開示された資料や回答内容、インタビューを通じて、対象企業の組織、株式、事業、資産・負債、知的財産、労務、許認可、コンプライアンス、紛争・訴訟など、多岐にわたる法的リスクを確認します。
DDで発見されたリスクは、買収価格に反映させたり、契約上の取り決めで対処したりします。重大なリスクが見つかった場合は、取引自体を中止することもあります。弁護士等の専門家が主導して行う重要なプロセスです。
デューデリジェンスの結果や価格算定を踏まえ、M&Aを実行することを決定した場合に締結される正式な契約書です。株式譲渡契約書や事業譲渡契約書など、M&Aの手法によって名称が異なります。最終契約書は法的拘束力を持つため、これにより譲渡側と譲受側はM&Aを実行する法的な義務を負います。契約書には、クロージングの前提条件、表明保証、補償条項などが詳細に定められます。
最終契約書締結後、契約で定められた前提条件が充足されたことを確認し、代金決済や必要書類の引渡しなどを行い、M&A取引を実行するプロセスです。この段階までに、必要に応じて独占禁止法や外為法に基づく当局への届出等、様々な法的手続きを完了させておく必要があります。
クロージング後、M&Aの手法に応じた各種契約の引き継ぎ手続きを行います。例えば、株式譲渡では原則として各種契約への影響はありませんが、事業譲渡では債権債務の譲渡や雇用契約、取引基本契約の再締結が必要となり、会社分割や合併では債権者保護手続きが必要となるなど、スキームにより対応が異なります。
M&A取引では、法務が取引の安全性と透明性を担保するうえで極めて重要です。秘密保持契約や基本合意書、法務デューデリジェンス、最終契約の締結といった各プロセスでは、会社法や労働契約承継法、独占禁止法、金融商品取引法などが適用され、企業の取引リスクを管理します。
M&Aアドバイザーとして成功を目指すには、これらの法務プロセスと法令の理解を深め、実務で活かすことが不可欠です。専門家との連携や最新の法的トレンドを常にチェックすることで、安心して取引を進め、成果を上げるための知識と経験を積むことができます。
きめ細かいサポートで転職を成功へ導いてくれる
専門エージェントに相談を
幅広い専門知識やノウハウ、高度なスキルが求められるM&Aアドバイザー。このためM&Aアドバイザーを目指すなら、専門知識を習得すると同時に、ヒューマンスキルやビジネススキルなども意識して磨くことが大切です。
転職を検討する方におすすめなのが、M&A業界専門エージェントです。M&A業界の求人は一般向けに出回ることが少ない上、求人の多くが非公開となっています。また、M&A業界は企業数自体が少なく、他の業種と比べて募集人数も多くありません。
M&A業界専門のエージェントなら、過去の転職事例や実際の面接で聞かれた質問といった情報をもとに、さまざまなアドバイスをしてくれます。きめ細かいサポートで転職を成功へ導いてくれるので、ぜひ専門エージェントを利用してみてください。
「できることは全部やりたい」
キャリアラダー代表インタビュー
M&A仲介転職支援の想いとは?
引用元:キャリアラダー公式サイト(https://careerladder.jp/)
平均30回以上の丁寧な面談サポート!
未経験でも安心して挑戦できる
M&A仲介業界特化型転職エージェント
引用元:キャリアラダー公式サイト(https://careerladder.jp/)
「ここまでやってくれるのか」と思うような充実のサポート内容が魅力。M&A業界に精通した専任アドバイザーがLINEでいつでも相談OK!未経験の不安も気軽に聞けて、内定まで伴走。内定まで週に1回程度の面談を行いながら、書類作成・自己分析・企業研究サポートや情報共有、模擬面接などを完全無料で行ってくれます。
内定獲得までの面談数は平均30回以上!金額面や入社時期など、候補者自身が伝えにくい給与や入社時期などの条件もプロが交渉してくれるので安心です。
サポート内容一覧